鄭和艦隊 ④ ギャビン・メンジース [2021年11月23日]
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ギャビン・メンジース(Gavin Menzies 1937-)は英国人で、英国海軍士官であった。退官後、ミネソタ大学の図書館で古地図を見つけた。それは1424年にヴェネティアで作られた地図であったが、
それには詳細なヨーロッパとアメリカの一部、そしてカリブ海の島らしいものが描かれていた。メンジースはコロンブスより70年前にアメリカ大陸を発見したものがいると考え、当時遠洋航海のできる船の存在を調査した。各国の歴史や海軍を調べた結果、鄭和艦隊以外にはないとの結論に達した。
北欧の舟・バイキングなど・は北欧、北海、バルト海、スペインやポルトガルも地中海、アフリカ西岸、イタリア商人も同様の範囲、アラブ、インド商人がアラビアーインド、中国商人は中国沿岸ー東南アジア、倭寇が日本ー中国へ進出していたがいずれもそれぞれの範囲の外に出る能力はなかった。
メンジースは自分の仮説を証明するため独自の調査を行った。そして世界各地に残る中国製の磁器、工芸品、アフリカ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの海岸の難破したジャンクの残骸などを発見した。
メンジースは鄭和艦隊の第6次航海の途中で分隊した3つの艦隊が喜望峰を回りさらに先の航海をしたと考えた。洪保の艦隊は南極からオーストラリア、周鼎はカリブ海、アメリカ東岸、周満はマゼラン海峡を抜けて南米西岸さらに太平洋を渡ったと推定している。
メンジースが推定した航路
メンジースは自分の推定した説を本にまとめている。「1421THE YEAR CHINA DISCOVERD THE WORLD (1421 中国人が新大陸を発見した年(株)ソニーマガジンズ2003)」
彼の説はまだ学会で認められていないが、興味深い話である。