上海の2つのマリーナ ① 九龍山マリーナ [2021年09月17日]
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この上海市郊外、そして市内に作られたマリーナは奇想天外のアイディアによるもので、さすが白髪3千丈の国、われわれ日本人では思いつかない計画である。
九龍山マリーナ
上海市の南、少し浙江省に入った平湖地区に九龍山と呼ばれる丘の連なった場所がある。このエリアの南側は杭州湾に面しており、そこにマリーナ、桟橋付き別荘、マンション、ゴルフ場、クリケット競技場を含めた一大リゾートが建設された。
九龍山マリーナ 上海の南南西上海市街地から75㎞
マリーナとマンション群
クリケット場
マリーナは杭州湾に面した小さい入り江(湾)に作られた、この湾口は東西約2㎞であるがこの湾口を堤で結び、湾を小さな湖(池)にし、その中に水を時間をかけて浄化作業を行っている。
遠くに見える堤防で湾を締め切っている。
上海付近の水はどこも汚く、杭州湾も流れ込む銭塘江の泥水で茶色く汚れている。マリーナ内の水を杭州湾より綺麗にしようという計画だ。私が見たときは、浄化を始めて3年くらいであったが、確かに中に水のほうが少し綺麗であった。
マリーナ内
杭州湾
マリーナから杭州湾に出る水路があって、そこには閘門が設けられ、杭州湾の水がマリーナ側に流れ込まない仕掛けができていた。
閘門 マリーナ内(左側)と杭州湾側 水の色が違う
九龍山マリーナ・リゾート開発は2008年に開始された、そしてリーマンショック対策バブル(リーマンショックの直後、当時の温家宝主席の行った4兆元(約80兆円)の財政出動で中億の経済は低迷することがなかった。この政策は世界中に歓迎されたが、やがて過剰流動性となり、富裕層の懐を温め、スーパーヨットや大型クルーザー、マリーナ会員権の購入につながった。)その恩恵を受けて、桟橋付き別荘の販売も順調に進んだ。
別荘やマンションエリアに続く水路
しかし、2012年になると習近平の緊縮例によりスーパーヨット、大型クルーザー、マリーナ会員権を手放す動きが広がり、九龍山リゾートの開発も中断した。しかしマリーナ部分は完成していたので、今でも静かに運営されているとのことである。